ゼニカルの効果を紹介!油漏れ対策も解説

ダイエットや体重管理をサポートする薬として知られる「ゼニカル」

気になってはいるけれど、効果や副作用について詳しく知りたいという方もいるしょう。

ゼニカルの具体的な効果は?

油漏れは大丈夫?

そこで、本記事ではゼニカルの効果について紹介、注意点を交えて解説します。

ゼニカルは、食事による脂肪の吸収をセーブする作用があり、海外では肥満症やメタボリック症候群の治療にも用いられています。

ただし、日本では未承認薬であるため、利用するためには医師による診察が必要です。

記事内ではゼニカルの効果と同時に、ネットでヤバイという声もある副作用「油漏れ」の詳細と対策も紹介します。

ゼニカルが気になる・利用を検討している人は参考にしてください。

ゼニカルは脂肪の吸収を阻害する薬

ゼニカルは、食事から摂取した脂肪の吸収を抑え、体外に排出する働きを持つ薬です。

もともとは重度の肥満やメタボリック症候群を治療するための薬で、アメリカではFDA(食品医薬品局)の認可を受けています。

日本では未承認の薬のため、「ダイエットサポート薬」という位置づけで、美容目的や体重管理のため利用されるケースがあります。

ただしゼニカルの利用には、副作用のリスクや注意点があるため、医師による処方が必要です。

ゼニカルのダイエット効果

ゼニカルには、食事で摂った脂質の一部を吸収せずに体外に排出する働きがあります。

脂質の吸収を防ぐため、ダイエットをサポートする効果が見込めます。

正しく利用するために、ゼニカルのダイエット効果について確認しておきましょう。

食事で摂取した脂質の吸収を抑制

ゼニカルの主成分である「オルリスタット」には、脂肪を分解する酵素「リパーゼ」の働きを抑える働きがあります。

そのため、食事で摂取した脂質が小腸で吸収されにくくなり、余分なカロリー摂取を防ぐことができます。

ただし、ゼニカルが作用するのは脂肪のみとされ、糖質やタンパク質等には効果はありません。

約30%の脂質を便として体外に排出

ゼニカルを服用すると、通常小腸で吸収される脂質の一部が吸収されずに、便と一緒に排出されます。

排出される脂質の量は摂取した量の約30%と言われており、かなり大きな割合です。

脂質で考えるとイメージがしにくいかもしれませんが、食べた脂質の約30%はカロリーとして体に取り込まれないので、摂取カロリーを抑えることが可能ということです。

結果、体重減少やダイエットのサポートにつながります。

効果を実感し始めるのは服用開始から2~3週間程度

ゼニカルによる効果を実感するまでの期間は、一般的に2~3週間程度と言われています。

脂質の吸収を抑えても、体重や体の変化が現れるまでに時間がかかるためです。

効果の現れ方には個人差があり、食事や生活習慣、体質によって数日で感じる人もいれば数週間経ってから実感する人も。

継続的に服用することで徐々に効果が現れるので、食事などに気を配りながら続けることが大切です。

体内に蓄積されている脂肪には効果がない

ゼニカルは、「新しく摂取した脂質」の吸収を抑える薬なので、すでに体内に蓄積されている脂肪には効果はありません。

体の脂肪を排出してくれるのではなく、新しい脂肪を体に蓄えるのを止めてくれるイメージです。

そのため、ゼニカルを服用したからと言ってすぐに体重が減少するようなことはなく、食事の見直しや運動などと併用して利用することが重要です。

やばい?ゼニカルの油漏れや副作用

ゼニカルの代表的な副作用には「油漏れ」「排便トラブル」などがあります。

これらの副作用はストレスにつながりやすく、生活にも支障をきたす可能性があることからネット上では「ヤバイ」という意見も見られます。

ゼニカルを服用するうえでは避けては通れない副作用ですが、うまく付き合うためにしっかり理解していきましょう。

油漏れする可能性がある

ゼニカルを服用すると、吸収されなかった脂質が便と一緒に排出されるため、「油漏れ」が起こる可能性があります。

油漏れとは、肛門から液状の脂質が漏れ出してしまう副作用のことです。

油漏れは突然起こることが多く、特に腹圧がかかったりおならなどで無意識に漏れ出る傾向が見られます。

下着や衣類を汚してしまうリスクに加え、独特の匂いがあるため、しっかり対策をすることが重要です。

その他の排便トラブル

油漏れ以外にも下記のような排便に関する副作用が見られることがあります。

  • 排便回数が増える
  • おならが増える
  • おならと同時に油漏れする
  • 下痢・便がゆるくなる
  • 急な便意が起こりやすくなる など

排便トラブルは、薬の作用で吸収されなかった脂質が腸内に残ることが原因で起こります。

また、このような排便トラブルは、急に起こることが多く我慢しづらくなるケースもあり、仕事や外出にも影響するため不安に感じる方も少なくありません。

監修医師のコメント
宮井 保尚
宮井 保尚

服用を開始して間もない時期が一番排便トラブルが強く現れ、薬に慣れると起こりにくくなる傾向があります。

そのため服用期間中は脂質の多い食事には常に気を配る必要があるでしょう。

脂溶性ビタミンの不足

ゼニカルは脂肪の吸収を抑える一方で、脂溶性ビタミンの吸収を妨げてしまう恐れがあります。

脂溶性ビタミンには、主にビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの4種類があり、健康を維持するために欠かせない栄養素です。

この脂溶性ビタミンは、脂肪と一緒に身体に取り込まれる性質を持つため、ゼニカルの服用が長期間になれば不足しやすくなります。

不足した場合には下記のような症状が現れることも。

  • 肌荒れ
  • 脱毛
  • 視力低下
  • 骨粗しょう症のリスクの上昇 など

そのため、ゼニカルの服用中には、食事の栄養バランスに留意して、サプリメント等を上手く活用することが推奨されています。

稀に起こる重大な副作用

ゼニカルの重大な副作用として、肝機能障害や腎障害、膵炎などがあります。

副作用の症状としては、下記の症状が現れることがあります。

  • 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
  • 発熱
  • 強い腹痛
  • 褐色尿
  • 異常な疲労感 など

発生頻度はごく稀とされていますが、万が一これらの症状が現れた場合は、すぐに服用を止めて医療機関を受診してください。

また、肝臓、腎臓、膵臓に持病がある人は必ず医師に持病があることを伝えましょう。

ゼニカルの油漏れはいつまで?

ゼニカルの服用による油漏れは、服用を中止すれば治まりますが、完全に止まるまで3日程度かかることが一般的です。

服用中は常に油漏れが起こるリスクがあるため、十分な対策が欠かせません。

いざというとき困らないために、油漏れに気をつける期間について詳しく解説します。

吸収されなかったすべての脂質が排出されるまで続く

ゼニカルで油漏れが起こる期間については、服用状況によります。

  • 服用中:服用期間中は薬の作用から油漏れが継続する可能性あり。
  • 服用中止後:服用を中止した場合、通常3日程度油漏れが続く可能性あり。※食べたものが排便されるまで3日程度かかる。

油漏れの頻度や継続期間には個人差がありますが、服用を開始した1~2週間は油漏れが起こりやすい傾向にあります。

ゼニカル服用中は常に油漏れに注意し、服用を止めた後も数日間は配慮が必要です。

大切な用事がある場合は調節が必要

大切な用事がある場合は、2~3日前からゼニカルの服用を控えましょう。

服用中に摂取した食べ物を排出してしまえば、油漏れが起こるリスクが減るからです。

一般的にゼニカルは、脂質が多い食事の際に服用するのが効率的とされ、「必ずしも毎日飲まなければならない薬」ではありません。

とはいえ、自己判断で服用を中止すると、十分なダイエット効果が得られなくなる可能性もあるため、必ず医師に相談して調整してください。

ゼニカルの油漏れ・匂いの対策法

ゼニカルの服用に伴う油漏れは、特に脂肪分の多い食事をした際に起こりやすいとされています。

油漏れを軽減する一番の対策は、脂質を控えた食事を意識することです。

詳しい対策法と、万が一に備えた対処法を紹介します。

脂質を控えた食事をする

脂質の多い食事は、ゼニカル服用中の油漏れリスクを高めてしまいます。

そのため、脂質を抑えた食事を意識することで油漏れを防ぐことにつながります。

具体的には下記のような工夫で脂質を減らすことが可能です。

  • 揚げ物やファーストフードを避ける
  • 蒸す・茹でる・焼くなどの方法で調理する
  • 肉より魚をメインにする
  • 野菜や豆類をメニューに取り入れる など

低脂肪の食事にすることで、油漏れや匂い対策だけでなく、ダイエットのサポートにも役立つので、常に意識するといいでしょう。

ナプキンやおむつで対策をする

外出時や仕事中、睡眠中に油漏れが生じると衣類や椅子、布団などを汚してしまう可能性があります。

そんな時は生理用ナプキンや大人用おむつ、尿取りパッドの使用がおすすめです。

消臭機能つきのものなら汚れ対策だけでなく、匂いの軽減も期待できます。

外出する場合には予備を持ち歩いておくと安心です。

ゼニカルの服用で死亡するリスクについて

ゼニカルの服用によって死亡するリスクは非常に稀ですが、過去に報告はゼロではありません。

例えばFDA(米国食品医薬品局)の報告によると、ゼニカルの使用で重度の肝機能障害が米国内外で13件報告されており、そのうち2件が肝不全で死亡したとされています。

FDAは死亡例の件数に関して、世界中で数千万もの使用者がいる中では「ごく稀なケース」と伝えています。

また、持病や服用薬等が関係していた可能性も高く、ゼニカルの単独使用での因果関係は明らかにされていないのが現状です。

死亡するリスクは極めて珍しいものの、特に持病がある人は注意する必要があります。

ゼニカル効果のよくある質問・Q&A

ゼニカルはどこで購入できますか?

医師の診察を受けることで入手可能です。
ゼニカルは日本では未承認の薬ですが、取扱いのある医療クリニックで処方してもらうことができます。
個人輸入や海外通販で見かけることもありますが、偽造品の恐れや安全性・衛生面でのリスクが高いので避けた方がいいでしょう。
また、ゼニカルと同じオルリスタットを有効成分とした「アライ」(大正薬品)は、ダイレクトOTC(要指導医薬品)のため、薬剤師のいる薬局やドラッグストアで購入可能です。

ゼニカルとサノレックスはどっちがおすすめですか?

食生活や体質により最適な薬が異なるので、医師と相談して決めましょう。
ゼニカルが「食事で摂取した脂質の吸収を抑える」薬なのに対して、サノレックスは「食欲を抑える」薬です。
薬の作用から見ると、脂質が多い食事をしている人にはゼニカル、食べ過ぎやドカ食いをする傾向がある人はサノレックスが向いているといえます。
ただし、どちらにも副作用や使用期限、禁忌があるため、自己判断での服用は避け医師に相談の上選ぶようにしてください。

ゼニカルの油漏れで出てくる油は何色ですか?

一般的には黄色~オレンジですが、人によっては茶色や黒っぽく見えることもあります。
ゼニカルの油漏れの油は通常黄~オレンジ色をしています。
衣類に付着するとすぐわかる色味で、さらさらした液体状なのが特徴です。
ただし、食事や便の交じり、消化管の不調などの影響で茶色や黒っぽく見える場合もあります。
万が一、油の色味や状態が明らかに目安と異なる場合は医師に相談してください。

まとめ

ゼニカルは食べた油の一部を体に取り込まずに外へ出すことで、ダイエットのサポートをしてくれる薬です。

手軽に余分なカロリーを抑えられる一方で、油漏れのリスクがあるので、服用中は注意が欠かせません

薬が体に慣れてくれば副作用も治まる傾向がありますが、リスクはゼロにはならないため、副作用と上手に付き合いながら服用することが大切です。

海外では広く利用されていますが、日本では未承認の薬となるため、気になる方は取扱いのある医療機関で医師に相談してみましょう。