ED治療薬として広く知られるバイアグラですが、「市販で購入できるのか」「薬局やドラッグストアで手に入るのか」といった疑問を抱く方もいるでしょう。
しかし、バイアグラは医師の処方が必要な医薬品であり、通常の市販薬とは異なります。
近年はインターネット通販や個人輸入代行を利用した購入方法も目にしますが、その多くは偽造品や安全性の不確かな製品を含むリスクが指摘されています。
本記事では、バイアグラが市販で入手可能かどうかを正確に解説するとともに、信頼できる購入経路と安全な利用方法について医療的観点から紹介します。

新千歳クリニック理事長
宮井 保尚
新千歳クリニックコラムサイトは医学的、専門的な内容のため新千歳クリニック理事長の宮井保尚監修の元制作しております。 経歴:久留米大学医学部医学科卒業 資格:日本整形外科学会認定専門医、日本整形外科学会認定リハビリ医、日本リハビリステーション学会専門医、日本人工関節学会認定医 所属:日本美容皮膚科学会
バイアグラは市販で購入できる?薬局や通販のAmazonは?
バイアグラはED治療薬として高い認知度を持っていますが、市販で購入することはできません。
日本では医療用医薬品(処方箋医薬品)に指定されているため、薬局やドラッグストアで自由に購入することはできない仕組みになっています。
Amazonや楽天市場といった大手通販サイトでも、正規のバイアグラやバイアグラジェネリックは販売されていません。
一部、「精力剤」や「男性活力サプリメント」といった製品が販売されていますが、これらはバイアグラとは全く異なる成分を含むものであり、ED治療薬としての効果は認められていません。
見た目や名称が似ていても、製品の多くは精力剤や健康食品であり、医薬品としての効能を期待することはできない点に注意が必要です。
また、非正規ルートで販売されている製品は偽物や品質不明なケースが多く、服用による健康被害のリスクが指摘されています。
バイアグラが市販されていない理由
バイアグラは、医療用医薬品のため医師による診察の下、薬剤師の説明や指導を受けてから使用する必要があります。
「バイアグラを服用すればEDが治る」と思いがちですが、自己判断でバイアグラを服用することは危険です。
これから詳しくバイアグラが市販されていない理由を解説します。
医師の正確な判断が必要だから
バイアグラは、医師の診断、薬剤師の説明を受けた上で服用する必要があります。
安全で効果的な治療のためには、医師の診断を必ず受けましょう。
EDの原因は多岐にわたり治療法が異なるため、原因に合わせた治療法を選択することが大切です。
原因によっては、バイアグラによる対処療法ではなく、根本的な原因の治療を優先される場合もあります。
重篤な副作用を引き起こす可能性がある
バイアグラは、陰茎への血流を改善し血行を良くすることで性行為に十分な勃起を促す効果が期待できるED治療薬です。
血管拡張させる効果は陰茎だけでなく全身に影響を与えるため、副作用を引き起こす可能性があります。
主な副作用
- ほてり
- 頭痛
- 消化不良
- 視覚異常 など
多くの場合は軽度で一時的なものですが、既往症や服用している薬との相性、体質などによっては、稀に重篤な副作用を引き起こす可能性があります。
重篤な副作用
- 心筋梗塞
- 脳卒中
- 急激な視力低下 など
自己判断での服用は十分な効果を得られないだけでなく思わぬ健康被害を引き起こす恐れもあるため、医師の診察や薬剤師の指導を受けた上で正しく服用しましょう。
バイアグラは市販以外でどこで買える?おすすめの入手方法
バイアグラは医療用医薬品のため市販では購入できません。
安全に入手する唯一の方法は、医師の診察を受け処方してもらうことです。
医師の診察を受けた上で入手できるおすすめの方法を紹介していきます。
病院やクリニックで処方してもらう
バイアグラを入手する唯一の方法は、病院やクリニックで処方してもらうことです。
医師の診察を受けることで、EDの原因を特定し適切な治療方法を選択してくれます。
バイアグラを処方してくれる診療科
- 泌尿器科
- ED専門クリニック
- 内科
EDの原因だけでなく、既往症や服用している薬、体質など総合的に判断したうえで、バイアグラの処方が適切な場合のみ処方箋が発行されます。
【おすすめ】オンライン診療で非対面にて処方してもらう
バイアグラは、オンライン診療で処方してもらうのがおすすめです。
オンライン診療は、病院やクリニックに出向かなくても電話やビデオ通話で自宅に居ながら医師の診察を受けることができます。
オンライン診療がおすすめな人
- 対面での診察に抵抗がある
- 近くに病院やクリニックがない
- 時間を掛けずに診察を受けたい
- 人目が気になる
病院やクリニックまでの移動時間や待ち時間が掛からないため、忙しい方にもおすすめです。
対面診療に抵抗がある方は、ぜひオンライン診療を検討してみましょう。
バイアグラを海外通販で個人輸入する危険性
市販や国内通販で購入できないことから、「海外通販を利用すれば安く手に入るのでは」と考える方もいます。
しかし、個人輸入によるバイアグラの購入は大きなリスクを伴います。
実際に、ネットで流通しているED治療薬の相当数が偽造品であることが報告されており、成分や品質が不明確なため、重篤な健康被害を引き起こす可能性があります。
厚生労働省も繰り返し注意喚起を行っており、安易に個人輸入に頼るのは非常に危険です。
ネットで入手したED治療薬の4割が偽造品
複数の製薬企業による調査では、ネットで流通しているED治療薬(バイアグラ、レビトラ、シアリスなど)の約4割が偽造品であることが明らかになっています。
ネットで入手したED治療薬の約4割が偽造品(本物ではない偽薬)というのは、国内外の複数の製薬企業による合同調査(バイアグラ、レビトラ、シアリスなど)の結果として、公式に公表されています。引用元:インターネットで入手したED治療薬の約4割が偽造品|日本新薬
日本からの注文では約43〜44%、タイなど海外経由では約50%と、国や販売ルートによってさらに高い割合で偽物が混在しているのが実態です。
製品の多くは有効成分量が適切でない、まったく含まれていない、あるいは異物が混入しているなど品質に問題があり、重篤な健康被害につながる恐れがあります。
厚生労働省が健康被害について注意喚起を行っている
厚生労働省は、ED治療薬の偽造品や個人輸入による医薬品に関して、継続的に健康被害についての注意喚起を行っています。
個人輸入された医薬品は、日本国内での品質や安全性の確認が行われておらず、有害な物質を含む可能性があると公式ホームページでも警告しています。
こうした偽造医薬品の多くは、アパートの一室など不衛生な環境で製造されている事例が報告されており、中には麻薬や覚せい剤といった違法薬物と同じ施設で生産されている可能性も指摘されています。
そのため、製造過程で異物が混入するリスクも否定できません。
さらに、含有成分の量が一定ではなく、想定以上の成分が含まれていたり、逆にまったく有効成分が入っていなかったりするケースも確認されています。
このような不均一な製品を服用することは、重篤な健康被害につながる恐れがあります。
厚生労働省は、こうしたリスクを避けるために必ず正規の医療機関で診察・処方を受けることを強く推奨しており、個人輸入医薬品による被害防止に向けた啓発活動を継続しています。
バイアグラ市販のよくある質問・Q&A
バイアグラと薬局で買える精力剤はどちらが即効性がありますか?
バイアグラと薬局で市販されている精力剤は、そもそもの目的や作用が大きく異なります。
バイアグラはED治療薬として承認されており、服用から約30分〜1時間で効果が発現します。
その後の効果は約3〜6時間持続し、性的刺激があれば明確な勃起サポート効果を得られるのが特徴です。
一方、薬局やドラッグストアで販売されている「精力剤」や「活力系サプリ」は、マカ、高麗人参、亜鉛、アルギニンといった栄養成分を主成分としています。
これらは血流のサポートや疲労回復、体調改善を目的としており、即効的に勃起を促す作用はありません。
継続的に摂取することで体質改善や元気度の向上を期待できるという位置づけです。
したがって、短時間で勃起力をサポートする即効性があるのはバイアグラでしょう。
薬局で買える精力剤は、あくまで体調や活力の底上げを目的としたものであり、バイアグラのような医薬品の即効性は期待できません。
バイアグラは通販のオオサカ堂で購入できますか?
厚生労働省も個人輸入代行での購入は安全上問題があるとして注意を払っており、医師の診察を受けて正規品を処方してもらうオンラインクリニック経由の購入がおすすめです。
バイアグラは正常な人が飲むとどうなりますか?
基本的に大きな危険はありませんが、副作用のリスクが伴うため注意が必要です。
主な副作用は、ほてり・顔の紅潮、頭痛、稀に胸痛・めまい・動悸などの循環器症状も報告されています。
また、狭心症や不整脈などの循環器系疾患がある人や、硝酸薬など特定の薬を服用している人はバイアグラの使用が禁忌とされています。
自己判断での服用は避け、必ず医師の診察を受けることが重要です。
副作用が持続する場合は速やかに医師へ相談してください。
まとめ
バイアグラは市販では購入できず、薬局やドラッグストア、Amazonや楽天などの通販でも入手することはできません。
市販の精力剤やサプリメントは成分や効果が異なり、即効性は期待できないため、ED治療薬としての利用には適していません。
海外通販や個人輸入で購入する方法もありますが、偽造品や品質不明の医薬品が多く、厚生労働省も健康被害のリスクを指摘しています。
バイアグラを安全に使用するためには、泌尿器科やED専門クリニック、またはオンライン診療を通じて医師の診察を受け、処方してもらうことが最も確実で安全な入手方法です。
自己判断での使用は避け、正しい方法で服用することが大切です。