リベルサスはGLP-1受容体に作用することで満腹感を促し、食欲を抑える効果があるお薬です。
本来は2型糖尿病の治療薬として扱われていますが、近年「メディカルダイエット」としても大変注目されています。

リベリサスの副作用について知りたい
本記事では、上記のようにリベルサスを使用するにあたり知っておきたい「副作用」について詳しく解説します。
事前にリベリサスの副作用について知っておくことは、安心して治療を進めていくためにも重要なことです。
どのような副作用があるのか、そして副作用の対処法についても合わせて紹介します。
安心してリベルサスを使用するために、事前に副作用についてしっかりおさえておきたい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

新千歳クリニック理事長
宮井 保尚
新千歳クリニックコラムサイトは医学的、専門的な内容のため新千歳クリニック理事長の宮井保尚監修の元制作しております。 経歴:久留米大学医学部医学科卒業 資格:日本整形外科学会認定専門医、日本整形外科学会認定リハビリ医、日本リハビリステーション学会専門医、日本人工関節学会認定医 所属:日本美容皮膚科学会
リベルサスの主な副作用
リベルサスは満腹中枢に作用する効果があるので、過度な食事制限をしなくても減量が期待できるお薬です。
とても魅力的な治療薬である一方で、お薬を服用した際に副作用があらわれる可能性があります。
「副作用」とは、期待できる主作用の他に起こり得る作用のことです。
リベルサスを使用した際に考えられる主な副作用について詳しく解説します。
【下痢や吐き気】5%以上
リベルサスのよくある副作用の症状としてあげられるのが、下痢や吐き気です。
リベルサスを初めて服用するときや、容量を増やしたとき
などに症状が多く報告されています。
なぜ下痢や吐き気といった「胃腸系」に副作用がおこるかというと、リベルサスの作用である血糖値の上昇を抑える効果に関係しています。
食べたものが胃に長くとどまり満腹感が持続するため、胃腸系において変化を感じやすいのです。
リベルサスの使用を継続しているうちに、症状が落ち着いてくることがほとんです。
日常生活に支障がでるほど下痢や吐き気といった副作用がひどい場合は、我慢せずに医師に相談するようにしましょう。
【頭痛や食欲減退・めまいなど】0.5~5%未満
下痢や吐き気をほど多くはありませんが、よくある副作用に頭痛・食欲減退・めまいもあげられます。
食欲減退は副作用でもありますが、体重減少につながるリベルサス本来の作用でもあります。
副作用にあげられるめまいですが、立っていてもふらつくような場合、しばらく症状が落ち着くまで安静にし、様子を見るようにしましょう。
また、服用後にフラフラするなどめまいがある状態で、運転などの機械を扱う作業は控えなければいけません。
しばらく経っても症状が落ち着かない、頭痛やめまいなどの症状を強く感じた場合は、重大な副作用を起こしている可能性があるので注意が必要です。
リベルサスの危険性が高い重大な副作用
下記のような時に、危険性が高い重大な副作用がおこる可能性があります。
- 正しい使用方法を守らなかった
- 服用時の体調
- 既往症
- 他のお薬との飲み合わせ
- 過去に重大な副作用がおきたことがある
副作用があらわれた場合、まずは使用を中断しすぐに医師に相談するようにしましょう。
こちらでは、先ほどの章で解説したリベルサスの副作用の他に考えられる、危険性が高い重大な副作用について解説します。
低血糖
リベルサスは本来2型糖尿病の治療に用いられるお薬であり、血糖値をコントロールし急激な上昇を抑える効果があります。
リベルサスの使用だけで低血糖症状になる可能性もありますが、既往症や他のお薬との飲み合わせが原因であることが多いです。
低血糖になった場合、下記のような症状が特徴としてあげられます。
- 動悸
- 手の震え
- めまい
- 冷や汗
- 意識がはっきりしない
- 顔面蒼白
血糖値が極端に下がった状態は、大変危険な状態です。
上記のような症状があらわれたら、糖分(15g程度)があるものを摂るようにし、低血糖症状を緩和させましょう。
症状がおさまらない場合、すぐに受診をし適切な対応をしてもらいましょう。
急性膵炎
リベルサスを服用した際に考えられる、重篤な副作用として「急性膵炎」があります。
リベルサスはインスリンの分泌を促す効果があるため、膵臓に負担がかかる可能性があります。
急性膵炎の場合、みぞおち辺りに激しい痛みを感じたり、吐き気・嘔吐などの症状があらわれます。
既往症として膵炎にかかったことがある方は、リベルサスを処方してもらう前に医師にしっかり伝えるようにしましょう。
副作用で急性膵炎になった場合、安全のために今後リベルサスの使用を続けることはできません。
胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸
リベルサスは、胆のうの収縮を抑える働きがあります。
この働きにより胆汁の流れが滞ることがあり、結果として胆石の形成につながってしまう可能性があります。
特徴的な初期症状は、右上腹部などに刺すような痛み、発熱や吐き気などがあります。
特に危険な状態として、眼球や肌が黄色く変化する、排出物が褐色の尿や白っぽい便に変化した場合に注意が必要です。
痛み止めを飲んで応急処置をするのではなく、早急に病院で受診してください。

リベルサスの重大な副作用の初期症状として「お腹がすく(低血糖)」「お腹が張る(急性膵炎)」「白目が黄色くなる(胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸)」などがあります。
気になる症状が現れた場合は自己判断せずにすみやかに医師の診察を受けましょう。
リベルサスの副作用はいつからいつまで続く?
リベルサスを使用した際に「副作用はいつまで続くのかな?」と疑問を感じる方もいるでしょう。
副作用の期間についても個人差があります。
リベルサスの副作用が起きた場合、おさまるまでの一般的な期間について解説します。
服用直後から副作用が現れることが多い
一般的にリベルサスの副作用は、服用直後にあらわれることが多いです。
服用後すぐに反応があれば、リベルサスで副作用がおきたことがわかります。
リベルサスを服用後、30分は飲食を控える必要があり、薬をしっかり吸収するために安静にして過ごします。
服用直後は副作用の症状を和らげるためにも、自身の体調に注意を払い無理をしないようにしましょう。
1~3週間程度でおさまることがほとんど
リベルサスを服用し副作用があらわれた場合、個人差はありますが1〜3週間程度でおさまっていくことがほとんどです。
副作用が下痢や吐き気などの胃腸系であった場合は、2週間程度で症状が落ち着いてくることが多いです。
最初の1週間〜2週間程度は、副作用を強く感じることがあります。
一度副作用が落ち着いても、リベルサスの容量を増やしたときなどに再び副作用があらわれることがあります。
副作用の症状は次第に落ち着いてくるものですが、4週間以上続く場合には注意が必要です。
下痢や嘔吐が1日のうちに複数回あるなど、副作用の症状も重い場合も、思わぬトラブルが起きている可能性があります。
服用を初めて副作用が4週間以上続く、副作用の症状が重い場合などは医師に相談するようにしましょう。

リベルサスのよく見られる副作用は、継続して服用するにつれて慣れていく場合が多いでしょう。
軽い低血糖であれば飴などを食べれば症状が治まることがあります。
しかし、副作用は我慢する必要はありません。
症状が辛いときは早めに受診をして、適切な処置をしてもらいましょう。
リベルサスを服用したら二度寝がダメな理由
さまざまな情報の中で「リベルサスを服用後に二度寝をすることは危険」といった声を、聞いたことがある方もいるでしょう。

なぜリベルサスを服用後に二度寝をしてはいけないの?
服用後に二度寝をすることで重大な副作用に気付かなかったり、十分な効果を発揮できない可能性があります。
「知らずに服用後にすぐに二度寝をしてしまった」とならないよう、事前に危険な理由を知り正しくリベルサスを服用するようにしましょう。
低血糖に気付かない可能性がある
リベルサスを服用後すぐに横になり睡眠をとってしまうと、低血糖の状態であることに気づけない可能性があります。
眠っている間に低血糖の症状がおきると、冷や汗・動悸・手の震えなどがあってもすぐに気づくことは難しく、低血糖状態を長引かせてしまいます。
低血糖状態が長時間続くと、重症化してしまう危険性があります。
服用後30分程度は二度寝を防ぐために、横になって休むことはせず、座ったまま安静に過ごしましょう。
胃腸の動きが鈍くなる
睡眠中は活動しているときよりも、胃腸の働きがゆっくりになります。
胃腸の動きが鈍くなると薬の吸収が遅くなり、効果を十分に得られない可能性があります。
お薬をしっかり吸収できるよう、服用後30分は睡眠はとらないようにしましょう。
二度寝をしないためにもですが、胃腸がしっかり働けるように、服用後に軽いストレッチもおすすめです。

「リベルサスの服用後、横になるだけならいいのか」という疑問を持つ方もいると思いますが、横になることも実はおすすめできません。
横になるだけでも胃の働きは鈍くなり、リベルサスが腸に届くのが遅くなる可能性があります。
効果を十分に引き出すためにも、服用後は横になることも控えましょう。
リベルサスの副作用への対処法
実際にリベリサスを使用し副作用が現れた場合の対処法について詳しく解説します。
もしも副作用がおきたとしても、事前に正しい対処法について把握しておくと、落ち着いて対応することができます。
慌てずに正しい判断をするためにも、副作用の対処法についておさえていきましょう。
症状が軽度の場合
リベルサスの副作用で一般的に多く報告されるのは、下痢や腹痛、吐き気といった胃腸系の症状です。
症状が軽度とされる、胃腸系の副作用の対処法がこちらです。
- 食事の回数を小分けにする
- こまめな水分補給
- 脂質の多いものを控える
3食無理に摂らずに食事の回数を分けると、胃の負担を減らすことができます。
下痢の症状が強い場合は、排便と一緒に水分を失いやすいため、意識をしてこまめに水分を摂るようにしましょう。
副作用がおきている間に脂質が多いものを摂ることにも注意が必要です。
胃への刺激となってしまうだけではなく、下痢症状も長引かせてしまう可能性があります。
よくある副作用であっても、日常生活に支障をきたすレベルだと危険です。
例え軽度な症状であったとしても、自己判断で無理をして服用を続けることは控えましょう。
医師に副作用の症状があったことを伝えることで、リベルサスの容量の調節や吐き気止めの処方など、適切な対応をしてくれます。
重大な副作用が現れた場合
リベルサスを使用した際に、重大な副作用があらわれた場合、自己判断で使用の継続をしないようにしましょう。
- 低血糖
- 急性膵炎
- 胆嚢炎
- 胆管炎
- 胆汁うっ滞性黄疸
上記の副作用を感じた場合、すぐに医療機関にかかるようにしましょう。
重度な副作用があらわれたときに、自己判断で痛みどめなどを使用し応急処置をしてしまうと、かえって症状が悪化する可能性があります。
リベルサスを服用する度に低血糖症状がある場合、容量があっていない可能性もあります。
副作用がおきてもスムーズに医療機関へ連絡がとれるよう、リベルサスを使用していることを周囲と共有できていると安心です。
受診した際には安全のために嘘偽りなく、副作用があった旨を医師に相談するようにしましょう。
軽度でも症状が長引く場合は医師に相談を
リベルサスを服用した際に、軽度であっても副作用の症状が長引く場合もあります。
服用を中止しても、リベルサスの有効成分が完全に体内から消えるのには5週間程度かかるからです。
そのため服用中止後に副作用が数日〜2週間程度は続いても、そのまま様子を見ることが一般的な対処法とされています。
軽度な副作用の症状であっても、辛い状態が長引く場合には注意が必要です。
1ヶ月以上経っても副作用がおさまらない場合や軽度でも日に日に症状がひどくなっているときは、すぐに医師に相談しましょう。
相談するときには、リベルサスを服用した最終日も一緒に伝えると、早期に適切な治療をすすめられます。
リベルサス副作用のよくある質問・Q&A
リベルサスで痩せすぎることはありますか?
ですが、リベルサスは医師の診断のもと正しい使用方法を守ることで、急激な減量は回避できます。
あまりにも体重が減る場合は用量が合っていない可能性もあるため、医師に相談しましょう。
リベルサスは朝食を食べない場合でも服用していいですか?
リベルサスは空腹時に使用することで、より身体へ吸収効果が高くなります。
ですので、むしろ朝食を食べない空腹時の使用のほうが効果的でしょう。
リベルサスの副作用に眠気はありますか?
ですが、副作用の症状である「低血糖」の状態であると、眠気を感じることがあります。
眠気を感じたら無理をせず安静にし、症状がおさまらない場合は医師に相談をして指示を仰ぎましょう。
まとめ
本記事では、リベルサスの副作用について詳しく解説しました。
リベルサスの副作用は「下痢」や「吐き気」などの軽度とされる症状をはじめ、「急性膵炎」や「低血糖」など重篤なものまであります。
日常生活に支障が出るほどの副作用を感じたら、無理に継続するのではなくすぐに医療機関を受診しましょう。
どんな副作用であったか、服用したのはいつだったかなど、しっかりと医師に伝えて相談することが大切です。